老人・障害者の心理

問題41

記憶に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1.エピソード記憶は、自分に起こった出来事や体験に関する記憶である。
2.短期記憶は、一定の時間的経過の後にも想起することができる記憶である。
3.意味記憶は、少ない容量の情報を一時的に保持する記憶である。
4.手続き記憶は、一般的な知識や概念に関する言葉の記憶である。
5.非陳述記憶は、人間の五感により知覚された記憶である。

答え:正解 1

1.○ エピソード記憶とは、自分に起こった出来事や体験に関する記憶です。
2.× 短期記憶とは、一時的な記憶であり、長期記憶に変換されない限り消えてしまうものです。
3.× 意味記憶とは、一般的な知識や概念に関する記憶です。
4.× 手続き記憶(手順記憶)とは、言語化できない肉体的反応などの技能や手続き等に関する記憶です。
5.× 非陳述記憶とは、手続き記憶のように言語化することができない記憶をいいます。

 

問題42

認知症高齢者の心理と対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.記憶力の低下は、行動や心理に影響を与えない。
2.人との交流ができなくなるので、社会的な役割を持つことは避ける。
3.それまでの暮らし方は心理に影響を与えない。
4.出来事全体の記憶力が低下しやすい。
5.施設に入所する場合、それまで使用していたものは持ち込まない。

答え:正解 4

1.× 認知症高齢者における記憶力の低下は、行動や心理に影響を与える。
2.× 認知症高齢者であっても、人との交流を行って社会的な役割を持つことは重要といえます。
3.× 認知症高齢者において、それまでの暮らし方は心理に大きな影響を与えます。
4.○ 認知症高齢者において、出来事全体の記憶力が低下しやすいといえます。
5.× 認知症高齢者が施設に入所する場合は、それまで使用していたものを持ち込む方が適切です。

 

問題43

視覚障害者の心理と対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.中途失明者は、残存感覚に対する自信を失う。
2.援助者が安全を確認した上で誘導する場合には、多少強引に手を引いてもよい。
3.高齢期に失明しても、大半の人は訓練で単独行動ができるようになる。
4.視覚障害者は音声言語が使えるので、相手との会話には不自由しない。
5.視覚障害者が援助者との会話中に録音を希望するのは、信頼関係ができていないため
である。

 答え:正解 1

1.○ 中途失明者は、残存感覚に対する自信を失うことに留意しなければなりません。
2.× 視覚障害者に対しては、援助者が安全を確認した上で誘導する場合であっても、強引に手を引いてはなりません。
3.× 高齢期に失明した場合には、単独行動ができるようになるのは困難といえます。
4.× 視覚障害者は、音声言語が使えますが、相手の表情を読み取ることができないために会話に不自由があります。
5.× 視覚障害者が援助者との会話中に録音を希望するのは、必ずしも信頼関係ができていないためではなく、メモをとることができないからとも考えられます。

 

問題44

先天性聴覚障害に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.手話は唯一のコミュニケーション手段である。
2.聴能訓練とは、構音指導や文章の理解力の向上のための訓練のことである。
3.言語発達に遅れが生じる。
4.成長とともに視力が聴力の代償となり、視力の機能が高まる。
5.耳元に口を寄せて大声で話をすれば会話ができる。

答え:正解 3

1.× 聴覚障害者のコミュニケーション手段は手話だけでなく、指文字や筆談などの手段もあります。
2.× 聴能訓練とは、音を認知して理解するための能力を向上させる訓練であり、難聴児等に対して、まず補聴器を使って音に対する興味を呼び覚まし、ことばを理解する能力を増やすと同時に、くちびるの動きや顔の表情を見てことばのやりとりができるようにする訓練です。
3.○ 先天性聴覚障害がある場合には、言語発達に遅れが生じやすいといえます。
4.× 先天性聴覚障害があっても、成長とともに視力が聴力の代償となり、視力が高まるとはいえません。
5.× 先天性聴覚障害の程度によっては、耳元に口を寄せて大声で話をしても会話ができないこともあります。

 

問題45

アスペルガー症候群(Asperger’s syndrome)の特徴として、適切でないものを1つ選びなさい。

1.行動が常同的反復的である。
2.認知の発達に遅れがない。
3.男児に多い。
4.青年期から成人期へと症状は持続する傾向が強い。
5.読み書き計算が苦手である。

答え:正解 5

1、2、3、4 ○ アスペルガー症候群は、広汎性発達障害のひとつであり、①相手の気持ちがつかめないといった対人的相互反応における質的障害、②会話をつなげないといったコミュニケーションの障害、③行動、興味、活動が限定していて反復・常同的などの特徴があるが、その症状の表れ方は個人差が大きいといえます。他人とのコミュニケーションが苦手な反面、認知の発達に遅れがなく、優れた集中力を発揮することもあり、誤解を受けやすいです。症状は持続する傾向が強く、発症は男児の多くみられます。
5.× アスペルガー症候群があるからといって、必ずしも読み書き計算が苦手とはいえません。

 

問題46

精神障害者への心理的な支援に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1.ピアカウンセリングでは、心理専門職がカウンセリングを行う。
2.アセスメントでは、複数の心理検査を組合せることが望ましい。
3.面接における転移とは、日常生活の問題を閉じ込めて表現できない状態を目指す。
4.系統的脱感作法では、観察学習を重視する。
5.社会生活技能訓練では、家族の感情表出への教育的介入が行われる。

答え:正解 2

1.× ピアカウンセリングとは、同じ悩みを持つ障害者同士が、対等な立場でカウンセリングを行い、問題解決を図るものです。
2.○ 心理検査には、投影法、質問紙法、作業検査法、知能検査法、社会測定法などさまざまな方法があるが、それぞれに長所短所があり、より客観的な評価のためには複数の検査法を組合せることが望ましい。
3.× 面接における転移とは、相談者が面接者に対して、無意識のうちに過去の人間関係で抱いていた感情を抱いてしまうことです。
4.× 系統的脱感作法とは、行動療法の一技法であり、不安や恐怖の状況をイメージしつつ、拮抗するリラックス状態を与えることで、不安を感じないようにしている技法です。
5.× 精神障害者は、社会とのコミュニケーションがうまく取れないことが多く、社会生活技能訓練(SST:ソーシャルスキルズトレーニング)とは、利用者の社会生活でのコミュニケーション技能を訓練する療法です。家族への感情表出への教育的介入は行われません。

 

問題47

高齢者への心理的虐待に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。

1.虐待は、家族や介護者によってなされることが多い。
2.高齢者本人の財産を不当に処分する行為は、心理的虐待に含まれる。
3.虐待には、高齢者の障害の状況や心理状態に対する介護者の理解不足が関係する。
4.介護者の負担を周囲の者が認め、心労を軽くすることが虐待の予防につながる。
5.高齢者と介護者を社会から孤立させないために、周囲の人々が連携する。

答え:正解 2

1.○ 厚生労働省の「平成24年度・高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査」によれば、平成24年度の高齢者虐待と認められた件数は、要介護施設従事者等によるものが155件、養護者(家族等)によるものは15,202件でした。
2.× 高齢者本人の財産を不当に処分する行為は、経済的虐待に含まれます。
3.○ 虐待には、高齢者の障害の状況や心理状態に対する介護者の理解不足が関係しているといえます。厚生労働省の調査委(上記1参照)でも、「教育・知識・介護技術等に関する問題」が78件(55.3%)と最も多くなっています。
4.○ 虐待の発生要因として介護の負担があると考えられ、介護者の負担を周囲の者が認め、心労を軽くすることが虐待の予防につながっているといえます。
5.○ 高齢者と介護者を社会から孤立させないために、周囲の人々が連携することは、虐待の予防につながるといえます。

 

問題48

回想法の特徴として、誤っているものを1つ選びなさい。

1.過去のことを取り上げるだけではなく、将来につなげる目的がある。
2.話したくないことは無理に引き出さない。
3.言葉だけでなく、写真や絵などの視覚的な刺激を用いる。
4.時間の見当識を高めるために、日付や曜日を確認する。
5.人生の節目の出来事を振り返ることにより生じる感情に注目する。

答え:正解 4

1.○ 回想法では、過去のことを取り上げるだけではなく、将来につなげる目的があります。
2.○ 回想法では、利用者が話したくないことは無理に引き出さないようにします。
3.○ 回想法では、言葉のやり取りだけでなく、写真や絵などの視覚的な刺激も用います。
4.× 回想法とは、利用者の人生の歴史や思い出を、援助者が受容的共感的な態度で聞く心理療法です。時間の見当識を高めるために、日付や曜日を確認するのは、リアリティ・オリエンテーションです。
5.○ 回想法では、人生の節目の出来事を振り返る回想により生じる感情に注目します。

 

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